社団法人 日本ダンススポーツ連盟(JDSF)

オリンピック・ムーブメント アンチ・ドーピング規程別表A

禁止物質の種類と禁止方法

平成13年9月1日

1. 禁止物質の種類

  • A. 興奮剤
    禁止物質の種類(A)は、以下のようなものである
    アミネプチン、アミフェナゾール、アンフェタミン類、ブロマンタン、カフェイン*、カルフェドン、コカイン、エフェドリン類**、フェンカンファミン、フォルモテロール***、メソカルブ、ペンテトラゾール、ピプラドロール、サルブタモール***、サルメテロール***、テルブタリン*** ...および関連物質

    * カフェインは、尿中濃度が12 mg/ml を超える場合を陽性とする。
    ** カチンは尿中濃度が5μg/ml を超える場合を陽性とする。エフェドリンおよびメチルエフェドリンは尿中濃度が10μg/ml を超える場合を陽性とする。フェニルプロパノールアミンおよびプソイドエフェドリンは尿中濃度が25μg/ml を超える場合を陽性とする。
    *** 喘息および運動誘発性喘息の予防および治療を目的とした吸入による場合に限り認められる。呼吸器科医またはチームドクターにより喘息および運動誘発性喘息である旨を当該医事責任者に書面で競技前に申告しなければならない。オリンピック大会では、許可されたβ作用剤の吸入許諾を要求する競技者は、独立した医事委員会によって審査される。

    注意: すべてのイミタゾール製剤は、局所的使用に対して認められる。血管収縮剤は局所麻酔剤とともに投与することができる。アドレナリンとフェニレフリンの局所製剤の使用(鼻、眼、直腸など)は認められる。

  • B. 麻薬性鎮痛剤
    禁止物質の種類(B)は、以下のようなものである
    ブプレノルフィン、デキストロモラミド、ジアモルヒネ(ヘロイン)、メサドン、モルヒネ、ペンタゾシン、ペチジン...および関連物質

    注意:コデイン、デキストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、ジヒドロコデイン、ジフェノキシラート、エチルモルヒネ、フォルコジン、プロポキシフェンおよびトラマドールの使用は認められる。

  • C. 蛋白同化剤
    禁止物質の種類(C)は、以下のようなものである:
    1. アナボリック・アンドロジェニック・ステロイド
      • a) クロステボール、フルオキシメステロン、メタンジエノン、メテノロン、ナンドロロン、19-ノルアンドロステンジオール、19-ノルアンドロステンジオン、オキサンドロロン、スタノゾロール…および関連物質
      • b) アンドロステンジオール、アンドロステンジオン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジヒドロテストステロン、テストステロン* …および関連物質
        代謝プロファイルまたは/および炭素同位体比測定法によって得られた証拠が最終判定を導くために用いられる場合がある。
        * 競技者の尿中テストステロン(T)とエピテストステロン(E)との存在比率が6 対1 より大きい場合は、この比率が生理的あるいは病的状態、例えば、エピテストステロン排出の低下や、アンドロゲン産出腫瘍、酵素欠損などによるものであるとの証拠がない限り、違反が成立する。
        T/E が6 を超えた場合、当該医事責任者は、サンプルを陽性と判断する前に、追加調査を実施しなければならない。調査報告書には、過去の検査結果、および追加実施された検査の結果、あるいは内分泌系の検査結果などすべてが記載されることになる。
        以前の検査結果が入手できない場合、当該競技者は3 ヵ月間、少なくとも1 ヵ月に1 回の割合で抜打ち検査を受けなければならず、これらの調査結果も報告書に含まなければならない。もしこの調査への協力を怠れば、サンプルが陽性であったことを宣言する結果になる。

    2. β2 作用剤
      バンブテロール、クレンブテロール、フェノテロール、フォルモテロール*、リプロテロール、サルブタモール*、サルメテロール*、テルブタリン* ...および関連物質
      * 1.A に記載の通り、吸入は正式に許可される。
       サルブタモールの尿中濃度が1,000ng/ml を越えた場合は蛋白同化剤陽性と見なす。

  • D. 利尿剤
    禁止物質の種類(D)は、以下のようなものである
     アセタゾラミド、ブメタニド、クロルタリドン、エタクリン酸、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、マンニトール*、マーサリル、スピロノラクトン、トリアムテレン...および関連物質
    * 静脈注射を禁止する。

  • E. ペプチドホルモン、類似物質及びその同族体
    禁止物質の種類(E)は、以下のようなものおよびその同族体、類似物質である
    1. 胎盤性性腺刺激ホルモン(hCG)男性の場合のみ禁止;
    2. 下垂体性および合成性腺刺激ホルモン類(LH)男性の場合のみ禁止;
    3. コルチコトロピン類(ACTH、テトラコサクチド);
    4. 成長ホルモン(hGH);
    5. インスリン様成長因子(IGF‐1);
       およびこれらの全ての放出因子とその同族体;
    6. エリスロポエチン(EPO);
    7. インスリン;
      インスリン依存性糖尿病の治療にのみ認められる。内分泌医またはチームドクターは、特定競技に先立ち、インスリン依存性糖尿病である旨を、関連する医事当局に書面で提出されなければならない。種類(E)に示した内因性ホルモンあるいはその識別マーカー(類)が競技者の尿中に異常な濃度で存在した場合には、それが単に生理的あるいは病的状態によるためであるとの決定的な証明がない限り違反が成立する。

2.禁止方法

次の方法は禁止されている:

  1. 血液ドーピング;あらかじめ競技者から血液を採取しておき、血液欠乏状態でトレーニングを行った選手に、全血、赤血球および/あるいは関連血液製剤を競技者に投与すること。
  2. 人工酸素運搬物質または血漿増量剤の投与;
  3. 薬理学的・化学的・物理的操作;

3.ある特定状況下での禁止物質の種類

  • A. アルコール
    当該責任組織が規則で要求する場合、エタノールの検査が行われる。
  • B. カンナビノイド類
    当該責任組織が規程する場合、カンナビノイド類(マリファナ、ハシシュなど)の検査が行われる。オリンピック大会においてはカンナビノイド類の検査が行われる。11-ノルデルタ9-テトラヒドロカンナビロール-9-カルボン酸(カルボキシ-THC)の尿中濃度が15ng/ml を超えるとドーピングが成立する。
  • C. 局所麻酔剤
    局所麻酔剤の注射は、以下の条件の下で認められる。
    • a. ブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカインなどは使用できるが、コカインは使用できない。血管収縮神経剤は、局所麻酔剤とともに使用できる。
    • b. 局所および関節内注射のみに使用できる。
    • c. 医学的に正当と認められる場合にのみ使用できる。
      責任を有する当局が定める場合、本剤の服用が必要であることを証明する書面を提出すること。
    • D. 糖質コルチコステロイド
      糖質コルチコステロイドの経口又は直腸経由での投与、静脈および筋肉注射による全身的使用は禁止する。
      医学的に必要な場合、糖質コルチコステロイドの関節内または局所注射は認められる。
      責任を有する当局が定める場合、本剤の服用が必要であることを証明する書面を提出すること。
    • E. β-遮断剤
      β-遮断剤の例として、以下のようなものが挙げられる
      アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、プロプラノロール、ソタロール、...および関連物質

    当該責任組織が定める場合にβ-遮断剤の検査が行われる。
    認定検査機関が特定の物質の検出に関し報告しなければならない尿中濃度の概要
    カフェイン
    カルボキシTHC
    カチン
    エフェドリン
    エピテストステロン
    メチルエフェドリン
    モルヒネ
    19-ノルアンドロステロン
    19-ノルアンドロステロン
    フェニルプロパノールアミン
    プソイドエフェドリン
    サルブタモール
    (興奮剤として)
    (蛋白同化剤として)
    T/E 比率

4. 競技会外検査

 担当医学責任者によって特別に要求される場合を除いて、競技会外検査では、1.C.(蛋白同化剤)、1.D.(利尿剤)、1.E.(ペプチドホルモンとその類似物質及び同族体)および2.(禁止方法)についてのみ検査が実施される。

  • 12 mg/ml を超える場合
  • 15ng/ml を超える場合
  • 5 mg/ml を超える場合
  • 10 mg/ml を超える場合
  • 200ng/ml を超える場合
  • 10 mg/ml を超える場合
  • 1 mg/ml を超える場合
  • 男性で2ng/ml を超える場合
  • 女性で5ng/ml を超える場合
  • 25 mg/ml を超える場合
  • 25 mg/ml を超える場合
  • 100ng/ml を超える場合
  • 1,000ng/ml を超える場合
  • 6 を超える場合

禁止物質の例示リスト
警告: これは、禁止物質をすべて網羅したリストではない。このリストに掲載されていない多くの物質も、「および関連物質」という表現によって禁じられるものとする。
選手は自分が使用する薬物、補助食品、OTC薬または他の製品に禁止薬物が含まれていない事を自分で確認しなければならない。

  • 興奮剤
    アミネプチン、アンフェプラモン、アミフェナゾール、アンフェタミン、バンブテロール、ブロマンタン、ブプロピオン、カフェイン、カルフェドン、カチン、コカイン、クロプロパミド、クロテタミド、エフェドリン、エタミバン、エチルアンフェタミン、エチレフリン、フェンカンファミン、フェネチリン、フェンフルラミン、フォルモテロール、ヘプタミノール、メフェノレックス、メフェンテルミン、メソカルブ、メタアンフェタミン、メトキシフェナミン、メチレンジオキシアンフェタミン、メチルエフェドリン、メチルフェニデート、ニケタミド、ノルフェンフルラミン、パラヒドロキアンフェタミン、ペモリン、ペンテトラゾール、フェンジメトラジン、フェンテルミン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フォレドリン、ピプラドロール、プロリンタン、プロピルヘキセドリン、プソイドエフェドリン、リプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、セレギリン、ストリキニーネ、テルブタリン

  • 麻薬性鎮痛剤
    ブプレノルフィン、デキストロモラミド、ジアモルヒネ(ヘロイン)、ヒドロコドン、メサドン、モルヒネ、ペンタゾシン、ペチジン

  • 蛋白同化剤
    アンドロステンジオール、アンドロステンジオン、バンブテロール、ボルデノン、クレンブテロール、クロステボール、ダナゾール、ジヒドロクロルメチルテストステロン、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ジヒドロテストステロン、ドロスタノロン、フェノテロール、フルオキシメステロン、フォルメボロン、フォルモテロール、ゲストリノン、メステロロン、メタンジエノン、メテノロン、メタンドリオール、メチルテストステロン、ミボレロン、ナンドロロン、19-ノルアンドロステンジオール、19-ノルアンドロステンジオン、ノルエタンドロロン、オキサンドロロン、オキシメステロン、オキシメトロン、リプロテロール、サルブタモール、サルメテロール、スタノゾロール、テルブタリン、テストステロン、トレンボロン

  • 利尿剤
    アセタゾラミド、ベンドロフルメチアジド、ブメタニド、カンレノン、クロルタリドン、エタクリン酸、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、マンニトール(静脈注射)、マーサリル、スピロノラクトン、トリアムテレン

  • 隠蔽剤
    ブロマンタン、利尿剤(上記参照)、エピテストステロン、プロベネシド

  • ペプチドホルモン、類似物質及び同族体
    ACTH、エリスロポエチン(EPO)、胎盤性性腺刺激ホルモン(hCG)*、成長ホルモン(hGH)、インスリン、

  • LH(黄体形成ホルモン)*、クロミフェン*、シクロフェニル*、タモキシフェン*、アロマターゼ(注:ステロイド芳香化酵素)阻害剤類*
    *男子のみ禁止

  • β-遮断剤
    アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、ブノロール、カルテオロール、セリプロロール、エスモロール、ラベタロール、レボブノロール、メチプラノロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノール、ピンドロール、プロプラノール、ソタロール、チモロール。